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個人住宅の耐震診断と補強を実施(学生レポート)

人材育成

 

 建築デザイン学科の学が、古田教授と共に、個人住宅の耐震診断と施工を行った際のレポートです。

 

 

DIT制震金物」を耐震補強で設置 ~PBL教育の実践レポート~

申吉峰,中島直希,川満義貴

 

我々建築デザイン学科の学生が、「木質構造」の授業で実施しました姶良市内の木造住宅の耐震診断結果を基にして、本学で開発された「DIT制震金物」を適用した耐震補強計画を行いました。そして、この補強工事を122日(金)に実施して参りました。当日は、施工協力会社(鎌田建設㈱)さんとともに我々も耐震補強工事を実施し、研究成果の社会・地域貢献の素晴らしさを汗を流して実感しました。

この住宅は、1981年の新耐震基準を満たしていますが、2000年基準を満たしていません。今回の熊本地震では、このような新耐震基準は満たし、2000年基準を満たしていない住宅の被害が多くみられました。現在の補助金制度は新耐震基準を満たしていない1981年以前の建物を対象としていますので、耐震診断および耐震補強が進まないのが現状です。そこで、我々が活躍した次第です・・・。
 

今回の工事の様子を「鹿児島建設新聞さん」と「南日本新聞さん」とに取材していただきました。「鹿児島建設新聞さん」の記事を掲載しておきます。
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■建物概要
☆  建物概要
・1988年(昭和63年)築
・木造2階建て(在来軸組工法 瓦葺屋根)
・1F床面積:85.29㎡
・2F床面積:33.95㎡
・最高高さ:7.70m

■耐震補強概要
今回の耐震補強は、できる限り安価で平面形状を維持して耐震性能を向上させる目的で、瓦葺屋根(重い屋根)を平形屋根用スレート(コロニアル:軽い屋根)にし、最も耐力の低かった1F X方向の筋かい壁を増設し、筋かい金物に「DIT制震金物」を設置します。さらに、釘留めとなっている筋かい等の構造要素の接合部に、床下・天井裏から設置できる範囲に接合金物を設置します。
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              1F耐震補強箇所

 

■耐震補強前後の診断・シミュレーション結果

耐震補強前後の耐震診断結果および地震応答解析の最大応答変異の比較を以下に示します。

耐震補強後の耐震診断結果は、倒壊する可能性はなくなり、現行の耐震基準(2000年基準)を満足しました。さらに地震応答解析を実施した結果、補強前の1Fの最大応答変位は、層間変形角でR=1/20程度以上で倒壊に至っていましたが、耐震補強後はR=1/40程度と半減し、倒壊を免れる結果となりました。
☆耐震診断結果(耐震補強前)
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☆耐震診断結果(耐震補強後)
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☆シミュレーション結果(耐震補強前後:阪神・淡路大震災クラス)
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■工事作業状況

天井裏と床下の作業は12月というのに汗が出て大変でしたが、手の届く範囲にすべて取り付けることができました(夏場だったら・・・鬼教官も許してくれたか?)。屋根の吹き替え工事はさすがに我々ではできないので、プロの職人さんに頑張って頂きました。作業後は我々の手で診断から補強までの全てをこなしたという達成感から、涙が出そうでした・・・。(少し大げさでした)

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天井裏の金物設置状況(申くん設置)
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床下の金物設置状況(川満くん設置)
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「DIT制震金物」設置状況(申くん設置)

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屋根の吹き替え工事(これはプロにして頂きました)

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